「農園型障害者雇用」に7割の障害者が否定的意見  「障害者雇用の実態調査」結果発表

〜 障害者から見た「農福連携」と「農園型障害者雇用」の評価に明暗が〜

2022年5月20日
KindAgent株式会社

現在、障害者雇用を実施する企業で数多く見受けられるようになった「農園型障害者雇用」。一般的には国が推進する「農福連携」との違いも分かり辛いところですが、今回、「障害者雇用の実態調査」を行ったところ、障害当事者の7割が「農園型障害者雇用」に否定的な意見を持っている事が分かりました。以下、本アンケート調査の詳細な結果を記載致しましたのでぜひご覧ください。

KindAgent株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:茅原亮輔)は、障害者雇用に農業を取り入れるなど多様化する障害者雇用の実態を調査するため、「障害者雇用の実態調査」を行いました。民間企業で働く男女20代~50代の身体・知的・精神障害いずれかの障害のある当事者およそ1000人を対象に、インターネット調査を実施。結果として、雇用率充足を目的とした「農園型障害者雇用」におよそ7割の障害者が否定的な意見を持っていることが判明しました。

調査結果トピックス

1.障害者雇用率を充足する事を目的とした「農園型障害者雇用」にはおよそ7割の障害者が否定的意見
2.国や行政が勧める農業法人・農家の新たな担い手として障害者等を活用する「農福連携」については7割の障害者が良い取り組みと評価
3.民間企業で働いている全体の障害当事者のうち、57%の方は一般枠で、43%の方が障害者雇用枠で働いており、民間企業において障害者枠で働く方の6割が転職を望まず、今の職場で今後も頑張りたいとの結果に

【トピックス1】障害者雇用率を充足する事を目的とした「農園型障害者雇用」には約7割の障害者が否定的見解

障害者雇用率の充足を目的とした「農園型障害者雇用」について有効回答1017人のうち、402人がとても良くない取り組みと選択、次いで302人が良くない取り組みと選択しました。良い取り組み、とても良い取り組みと選択した方は1017人のうち52人に留まりました。
とても良くない・良くない取り組みと選択された方の主な回答理由は以下の通りです。(回答理由)

・差別を感じる。(女性/50代/愛知県)
・肉体労働のお仕事で障害の影響で作業が出来ない。(男性/40代/東京都)
・就労環境の面で理解のあるサポートや待遇が取られるか不安。(女性/20代/神奈川県)
・農業をなめている。(男性/50代/愛知県)
・肉体的にキツイ労働が多そうなので、長く定着するかわからないと思う。(女性/50代/東京都)
・賃金が安すぎる。(男性/30代/埼玉県)
・悪いとは思わないが、何となく一つに集めている感じ。(男性/30代/大阪府)
・農福連携はお互いを補い合う性格があり好ましいと思ったが、 農園型雇用は 障害者を押し込める印象に感じた。(男性/40代/宮城県)
・周りの方から余計に気を使われる。(男性/50代/福岡県)
・雇用率の為の数合わせだと感じる。雇用を無理やり産み出しているイメージ。(男性/40代/埼玉県)
・意義が感じにくい。(男性/50代/神奈川県)
・農園型雇用は雇用率さえ上がれば良いと言う様な印象なので、そこで働く人達がモチベーション維持に苦労すると思う。(女性/30代/東京都)
・農園型雇用は帳尻合わせのもので、本来の障害者雇用の趣旨から外れているのではないか。その企業の本来業務で採用するのが筋では。(男性/40代/茨城県)
・新しい形の障害者排除にすら感じる。折角入社したからにはその会社の一員として扱うべき。(男性/50代/東京都)
・障害者側として雇用の機会が増えるというメリットもあるが、企業側のメリットが強く、障害者雇用の障害者が社会的に自立する雇用という、個人的に感じている課題についてはこれでは解決出来ないと思った。(男性/30代/東京都)
・障害者ばかりでなく 健常者と一緒に働きたい。(女性/50代/沖縄県)

【トピックス2】国や行政が勧める農業法人・農家の新たな担い手として障害者らを活用する「農福連携」については7割の障害者が良い取り組みと評価

※農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。 農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあります。(農林水産省ホームページより)
※農林水産省農福連携推進室に対して、「農園型障害者雇用」は農福連携の取り組みに該当するのか質問をしたところ、本事業は農福連携には該当しないとの回答をいただきました。

アンケート結果では、有効回答1017人のうち、農福連携に対して、とても良い取り組みと思う方が386人で、次いで良い取り組みを選択された方が319人という結果になりました。
とても良い、良い取り組みだと思うと回答された方の主な理由は以下の通りです。(回答理由)

・農福連携は今後必ず必須となっていくと思います。(男性/40代/栃木県)
・人手不足な場所があって自分らを歓迎してくれるのならばこれ以上良いことはない。(男性/30代/東京都)
・役に立てそうだから。(女性/20代/大阪府)
・障害者と農業は結びつきのイメージがなかったので、活躍の場が広がる意味ではいいと思う。(男性/40代/東京都)
・障害があっても取り組める仕事がたくさんあると思う。(女性/40代/東京都)
・実際障害を持って一般企業でも中々受け入れて貰えないのが事実なので、少しでも障害者が働ける環境を用意していただける事はとても良い事だと思う。(男性/50代/愛知県)
・農福連携は障害者が農業で働くためにいい取り組みだと思う。(男性/40代/石川県)
・農福連携は人手不足が深刻な農業の新しい担い手として障害者の新しい活躍の場が広がる事が期待できる。(男性/30代/東京都)
・農業に興味があります。野菜を作ってみたいです。(女性/50代/東京都)
・発達障害は、人とコミュニケーションを取りにくいので、野菜の管理とかは、合ってると思う。(男性/50代/兵庫県)
・経験はなくとも、新しい可能性の職場としては魅力があると思いました。(男性/30代/埼玉県)
・農福連携について、もっと認知されるべきだと思う。(男性/20代/神奈川県)
・人手不足な業界に、働きたい人が力になれるから。(男性/40代/埼玉県)

【トピックス3】民間企業で働いている障害当事者全体のうち、57%の方は一般枠で、43%の方が障害者雇用枠で働いており、民間企業で障害者枠で働く方の6割が転職を望まず、今の職場で今後も頑張りたいとの結果に

有効回答1017人のうち、今の会社で今後も頑張りたいと回答した方が610人で最も多い回答となりました。次いで転職してキャリアアップ希望の方が170人、転職してキャリアチェンジを希望する方が136人という結果になりました。農福連携の取り組みで働きたいという方は25名に留まり、農園型雇用で働きたいという方は10人という結果になりました。
今の会社で頑張りたいと回答した方の主な回答理由は以下の通りです。

(回答理由)
・今の会社は障害者雇用に理解があると思うから。(男性/40代/大阪府)
・転職は大変。(女性/30代/山形県)
・今の自分を理解してくれる職場環境だから恩返しをしたい。(男性/30代/東京都)
・障害を抱えての転職は大変なので。(男性/40代/北海道)
・今の仕事が好きだから。(女性/30代/島根県)
・社内環境がよく、在宅ワークにも対応してくれるので働きやすい。(男性/30代/岡山県)
・やりがいがあるので。(男性/30代/愛知県)
・業務内容を把握してきて、馴染めているから。(男性/30代/鹿児島県)
・とりあえずは、今の仕事に慣れているので、今の仕事をやりながらも可能性をいろいろ考えてみたいです。(男性/30代/埼玉県)
・社長が親切でこの会社に貢献したいと思えるから。(男性/40代/和歌山県)
・今の職場に特に不満などがない 仕事内容が自分に合っている。(男性/30代/鹿児島県)
・コミュニケーションに苦手があることに配慮をもらえ、ITに強く、好きであるので、やり甲斐もある。(男性/40代/宮城県)
・就職活動するのが困難だから。(男性/40代/兵庫県)
・今の会社は通勤が楽。福利厚生も雇用制度もしっかりして安心。障害者雇用も積極的。(女性/50代/大阪府)
・上司が私に向いている仕事を提案してくれている。(男性/30代/大阪府)
・理解ある同僚に恵まれているから。(男性/40代/福岡県)

【まとめ】
障害者から見た「農福連携」と「農園型障害者雇用」の評価に明暗が分かれ、国が勧める「農福連携」の取り組みについては、好意的に評価する方が多い一方で、障害者雇用率充足を目的とした「農園型障害者雇用」は否定的な意見が多い結果となりました。回答理由についても、「農福連携」は障害者の新たな活躍の場所として認識され、役に立つ事が出来るといった好印象の回答が多くありました。「農園型障害者雇用」については、本来の障害者雇用の趣旨と異なる、雇用率のための数合わせの雇用といった厳しい意見が多くありました。

民間企業で働いている障害者のうち57%の方は、障害者手帳を持ちながら一般枠で働いており、43%の方が障害者雇用枠にて就業しているという事が分かりました。そのうち、6割の方が今の会社で今後も頑張りたいという志向性をお持ちであるという事も分かりました。その理由として、業務内容が自分に合っているといった「お仕事面」を理由に挙げられる方と同僚に恵まれているといった「人的環境面」を挙げられる方が多くいらっしゃいました。これらの結果を通して、障害者雇用として安定して働けている方はご自分に合った仕事を理解し、実際に従事されている方が多いことから、業務適正のマッチングが非常に重要であることが言える結果となりました。また、同僚や上司といった人的環境の部分についても、ご自身の障害や特性を理解してくれて、その方に合った配慮やコミュニケーションを受けられる環境であることが、安定した就業へのカギとなるという事も分かりました。

障害者雇用の多様性は今後も広がりを見せることが予想されますが、本質的な重要点は変わることはなく、障害者自身がご自分の障害特性や業務適正をしっかりと把握され、企業側もその方を理解し、希望や業務適正のあるお仕事にアサインを行い、必要な配慮事項を個別の適正に応じて行っていくという根本的なことが改めて大事になってくるものと考えております。

弊社は障害のある方に特化した人材サービスを提供させていただく会社として、このアンケート調査の内容を重く受け止め、障害のある方の就労を通じた自己実現に向けて、企業や個人のお客様にしっかりと寄り添いながら、満足度が高く、付加価値の高い障害者雇用の実現に向けてサービスクオリティの向上に邁進していきたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。

【調査概要】
調査名: 「障害者雇用の実態調査」
調査対象: 20代~50代の障害者手帳をお持ちの方々
調査期間: 2022年4月22日(金)~2022年4月28日(木)
調査方法: インターネット調査
モニター提供元:ゼネラルリサーチ

KindAgent株式会社について
【会社概要】
会社名:KindAgent株式会社
所在地:東京都千代田区麹町2丁目10−3 エキスパートオフィス麹町 
代表者:茅原 亮輔
URL:https://kind-agent.co.jp
モットー:「情熱とアイディアで障害者雇用の新しい価値を創造する」
事業内容:障害のある学生向けインターンシッププログラムの提供
     障害者や働く事に工夫が必要な方に特化した人材エージェントサービス
     各種障害者雇用に関するコンサルティングサービス

【お客様からのお問い合わせ先】
KindAgent株式会社
TEL:03‐4405‐3233
e-mail:info@kind-agent.co.jp

【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
KindAgent株式会社 茅原 亮輔
TEL:03‐4405‐3233
e-mail:info@kind-agent.co.jp

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